これが限界です///(何の?
生きる音

 夜中に胸元にくすぐったい感触が触れて目が覚めた。
 シェゾが薄目を開けてみると自分の上に亜麻色の頭が乗っかていた。
「アルル・・・なんだ?」
「ん―・・・」
 寝ぼけているのかまともな返事はしないまま頭を振る。細い髪の毛がさらさら触れる。
「こそばゆいんだが」
 それを聞いてなのかアルルは動くのをやめた。寝入ってしまったのか左胸あたりに額を乗せたまま動かない。
 シェゾが再びまどろんできた頃。
「――よかった。ちゃんと生きてる音がするよ」
 消えそうな囁き声。
 細い指先が心臓の上をなぞる。
「とくん、とくんって」
「悪い夢でも見たか?」
 苦笑して髪を撫でると今度は首にかじりついてきた。
「きみが死んじゃうゆめみた」
 顔は伏せたままでアルルがどんな顔しているのかは分からなかったが。
「死ぬかよ」
「・・・そうだよね」
 弱弱しい返事。そんなアルルの方こそ消えてしまいそうで。
「きゃん!」
 シェゾはアルルの胸に顔をうずめた。

とくん、とくん

 少女の生きている音が聞こえた。
「お前も、ちゃんと生きてるな」
 アルルの心音を聞きながらシェゾは再び眠りについた

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